少年法を改正して、最高刑が死刑となる年齢を引き下げるべきだという意見がありますが、そのことについて以下に解説します。
~いわゆる「少年法改正論」まとめ~
最近川崎で起こった殺人事件を受けて再び「少年法改正」の議論が活発化しています。
>>少年法改正の署名運動が起きている?改正反対の意見は何なの?
「少年法改正」についてどこを改正すべきか?という事については様々な意見がありますがよく語られるのが、年齢の規定を取り払い、少年であっても最高刑が死刑となる様に法律を改正すべきか否かという事について述べていきたいと思います。
少年法を改正し、【死刑】適用年齢を引き下げることに【反対】という意見と【賛成】と言う意見を以下にまとめています。
>>少年法61条の適用範囲と報道の自由について!罰則はないの?
【反対】意見
- 【死刑】が【犯罪の抑止効果】になるのか?
- 【少年の更正の機会】を奪うことになる。
- 少年に対する取調べの中で【冤罪】を生む可能性は否定できない。
- そんな中で最高刑を死刑とするのは、少年の保護育成の観点から見てもそぐわない。
- 【刑罰】というのは被害者感情を満足させる為に執行されるものではない。
- 【死刑】というのは国による殺人行為である。少年に限らず、【死刑】そのものに反対であり、適用年齢引き下げなど論外である。
【賛成】意見
- 【抑止効果】云々が問題なのではなく、凶悪な犯罪を犯した者に対する刑罰として、少年だという理由で【死刑】が適用されない事自体がおかしいと言っているのだ。
- 【更正の機会】と言うなら、【被害者の未来】を奪った事に対する事をどうとらえるのか?
- 確かに【冤罪】はあってはならない事だが、それは論点のすり替えである。冤罪を生むかどうか、と少年犯罪において最高刑が死刑である事が相当か否か、というのは全く別次元の話だ。
- 確かに被害者が満足いく判決などない。犯罪を犯した少年が死刑になったところで、被害者のご家族、友人、関係者は満足しないだろう。が、しかし法が被害者の心情に寄り添わないで、何が法治国家というのだろう?何の為の法なのだろう?
…といったところでしょうか。
年々少年犯罪が凶悪化して…という枕詞は間違いであり、少年犯罪の発生件数自体はむしろ減ってきているのです。
と、いう様な「事実」すらも犯罪の被害者にとっては私は無意味だと思うのです。
それがたとえ年間1件しか起こっていない殺人事件でも、それが自分の愛する子供、家族、友人、恋人を自分の想像の範疇を超えた形で殺されたとするのであれば、そしてその犯人が、少年であるが為に死刑にならないという事に、納得できるか否か?
と言われて、納得できる。という方はいないでしょう。
先月の川崎の事件は、自分の子供が加害者にも被害者にもならない為にどうすればいいのか?という事を考えさせられる事件でした。厳罰化が必ずしも犯罪抑止にならない事も分かるのですが、難しい所です。
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