プロペラを回転させて飛ぶヘリコプター。
その原型とよばれているのはレオナルド・ダ・ビンチの「空気ねじのスケッチ」です。
発想自体はそんな古くに生まれていたものの、ヘリコプターが実用化されるまでには長い時間がかかりました。
また、最近何かと話題にのぼるオスプレイは、飛行機とヘリコプターのいいところをとった機体として知られています。
ヘリコプターのいいところって?どういう仕組みで飛んでるの?など、意外に知らないものですよね。
そんなヘリコプターについて、まとめてみました。
ヘリコプターの飛ぶ原理と速度
「ヘリコプターや飛行機の飛ぶ原理は、本当はわかっていない」
そんな説を聞いたことはありませんか?
結論から言うと、それはただの都市伝説に過ぎません。
ヘリコプターは、翼(プロペラ)を高速回転させることで起こる風を翼に当てて、浮上する力(揚力)を発生させています。
その揚力がヘリコプターの重さを超えることで、地表から浮上でき飛行しています。
簡単に原理を説明するとこんな感じです。
科学的には深いもっと説明が必要ですので、もっと詳しく知りたい方はさらに色々なページを見てみましょう。
ちなみに、ヘリコプターは揚力を利用して飛行するため、前進するときは前傾姿勢をとっています。
飛行機にはない特徴は、垂直離陸や空中で停止すること(ホバリング)ができることなどが上げられます。
悪天候時や狭い場所などでも活動できることから、災害や救急の現場などでも広く活躍しています。
また、ヘリコプターの平均速度はおよそ200km程度、最高速度は400km程度で、法的な意味を持つ制限速度は設定されていないようです。
飛行機の速度と比べてみると、ジェット機は最高時速2000kmを越えるので、その差は歴然ですね。
ヘリコプターの事故について
ヘリコプターは飛ぶ原理についてしばしば語られもしますが、他にもよく言われるのが「事故が多く危険そう」ということですね。
たしかに、見た目上は機体が小さく、プロペラも心もとない感じがしますよね。
実際調べてみると、ヘリコプターは他の航空機と比べると非常に事故率が高いんですね。
普通の航空機の飛行100万回あたりの事故数は大体0.1回程度です。
それに対してヘリコプターは100万回あたり14回程度も事故を起こしています。
約140倍です。驚きですよね。
事故原因としては、最も多いのはパイロットの人為的ミスです。
次いでエンジンの故障や火災、ローター部の故障、気象条件や低空での操縦、雪の中での操縦なども目立つ原因とされています。
ヘリコプターは、万が一故障などによってエンジンが停止した場合も、すぐに墜落しないようにオートローテーション(自動回転)とよばれる飛行方法により緩やかに下降できるような仕組みになっています。
こうした墜落事故回避のしくみがあるとはいえ、様々な要因が重なって事故が発生しています。
また、ヘリコプターの事故がよく発生するのは、災害地域や救助活動などの現場です。
山岳救助などで悪天候の中、地形の複雑な山岳地帯を飛ぶのはとても高度な操縦技術が求められますから、通常の飛行に比べて格段に事故のリスクは上がります。
このような飛行が多いため事故率が自然とあがってしまっているのかもしれませんね。
また、近年活躍が注目されるドクターヘリについても、その安全対策は世界的にみても発展途上です。
カナダではドクターヘリの事故が過去30年間ゼロなのに比べ、アメリカでは、2008年のドクターヘリの死亡事故は8件、死者は29名というヘリコプター救急史上最悪を記録しました。
日本でもそれらを教訓にした安全対策のしくみづくりが進められています。
こんなふうに、身近なところで日々人のためにがんばっているヘリコプター。
次に見かけた時は、ちょっと応援したくなるかもしれませんね。