夏も近づけば思い出すのはセミの大合唱。
いずれ夏本番になれば夏の風物詩とも言わんばかりにあちらこちらから聞こえてくるものです。
そういえば、一番最初の1匹がなきだすのはいつ頃なのでしょうね?
「あ、セミがないているな」と思うともう夏なのですから不思議なもので、セミの鳴き始め、夏の初めはいつからなのでしょう。
分かったことからご紹介いたしましょう。
セミが鳴き出すのに気温や夏の暑さは関係が無い?
ご存知の通りセミは長い年月地中にいて、いざ成人を迎えた年に地上へもどり短い命を燃やす虫です。
この地中にいる期間と言うのは別に季節や暑さによって変動が起こったりするわけではなく、とっても正確な時間を刻んでいます。
近年いつだったか梅雨明けがはやく、こんなに暑いのにセミがまだ鳴かない!夏になった気がしない!とネット上でちょっとした話題を呼んだことがありました。
逆に九月だと言うのにセミがまだ鳴いている!もう秋なのに!と言う話は例年どこからか必ず聞こえてきますよね。
それもその筈、セミはぴったり時間を守って地上へ舞い戻り、ぴったり寿命分まで生きるのですから下手をすれば10月頃までだってセミは鳴いているのです。
さて、それではいつ鳴き始めるか。
セミの種類によって、あるいは個体差によってマチマチではありますが大体梅雨が明けた六月の末から七月の中旬までが鳴き初めとされます。
種類の違いだけに特化するれば一番鳴き始めが早いのはニイニイゼミなどで一番遅く鳴き始めるのはツクツクボウシなどになります。
セミはなぜ、なんのために鳴いているのか
セミは地上へ出たなら高い木を目指して上っていきます。
そうして命の限り鳴き始めるわけですが、その理由を知っていますか?
実は鳴きとおしているのはオスのセミだけで、メスを呼ぶための求愛行動の一つとしてセミは鳴いています。
自分がここにいるよ、と言う主張と、こっちにおいでよ、と言うお誘いも含めて鳴いています。
そしてこの鳴き声、電話を通してだとなぜか相手側に聞こえないというのをご存知ですか?
電話が通すことの出来る音の周波数は300ヘルツ~3400ヘルツなのに対し、セミの鳴き声は1000ヘルツから10000ヘルツ。
ピーク時の鳴き声は4000ヘルツにも及ぶというので電話越しにセミの声を聞くというのは、なかなかに効きにくいものなのです。
セミは恋慕う相手にラブコールをかけるわけではなく、直接愛を叫んでいるので電話の向こう側に聞こえる必要はないでしょうが。
セミの種類と鳴き声の違い
今ではもう物語の中だけになってしまったかもしれない昆虫採取。
セミは特にとるのが難しく、何度となく取り逃がしてしまった、そんな懐かしい思い出をお持ちの方も年々少なくなっているのではないでしょうか。
セミの種類と鳴き声を知っていると、いつもの夏がまた違った見え方をしてくることもあります。
少しセミの種類と鳴き声について記していきます。
- ミンミンゼミ
ポピュラーでありよく効くミーンミンミンと鳴くセミ。
意外と涼しげな高音で鳴いており風流にも感じられます。
- アブラゼミ
同じくミンミンゼミと対を成すほどにポピュラーなアブラゼミはジリジリと鳴き始めてジリリリリリと絶え間なく鳴きます。
少し鬱陶しいほど鳴いているセミは大体アブラゼミです。
- ニイニイゼミ
名前はミンミンゼミと似ていますが、似ても似つかないミィイイイイと言う耳に痛い鳴き声をするセミ。
あまり名前を知られていないセミですがFAXの受信音みたく絶え間なく継続した音がなっていたらそれがミイミイゼミです。
- クマゼミ
名の通り大きなクマゼミは力強くジージジージーと鳴き続けます。
他のセミより音階は低めでかき消されてしまうこともありますが確かに鳴いていますので聞き耳を立ててみるのも面白いかもしれません。
- ヒグラシ
夕方の涼しくなった頃から聞こえるどこかもの哀しげなリリリリともキキキキとも聞こえるヒグラシの鳴き声。
郷愁を誘うとはまさに、と言う鳴き声で聞こえてくると家に帰りたくなってくる鳴き声です。
セミと言っても種類はまだまだ沢山在り、全てをご紹介できるわけではないのですが、どこにでもいてどこでも鳴き声をきくことが出来るセミをご紹介させていただきました。
雑踏を歩くときや、夏の待ち合わせ、都会の喧騒にもまれるときに少し自然の音に耳を傾けて見てください。
「あ、これはあのセミだ」と聞き比べることが出来たなら心にも少しの余裕が生まれてくるかもしれません。
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