桜の季節もすっかり過ぎ去り、新緑の春を過ぎればすぐ夏がやってまいります。
近頃はSNSの発展で古くからの友人にワンアクションで連絡が取れますよね。
ですが、親しき間にも礼儀ありと申します。
季節の変わり目相手を思いやっての連絡はきちんとした大人として正しい言葉遣いのお手紙が理想ですよね。
メールでも手紙でもしたためる想いは変わりません。
書き方の注意点を幾つかご紹介していきます。
まずは基本を抑える、手紙の作法
古くからコミュニケーションをはかるうえで重要視されている手紙。
近年ではネットワークが発展し紙媒体の手紙を扱うことは少なくなりましたが、電子メールに変わったとて書き手、受け取り手の人間は代わりません。
正しい日本語で書くのは勿論、正しい作法を持って想いを伝えましょう。
相手が上司や知人、お世話になりつつも普段の親密度が低い場合、きちっと形式に則った手紙を送るのがマナーになります。
しかし親兄弟、親しい友人などであればあまりにも形式ばった手紙の内容はかえって失礼にあたることもあります。
相手によって態度を変えているわけではなく、相手の立場になっていただいて響く手紙を書くよう心がけましょう。
たとえ読み物でなくとも、まとまりがなく解りにくい文章を読むというのは相手に不快感を抱かせます。
欠かしてはいけない挨拶の言葉、自分の伝えたい言葉、相手を思いやる言葉、手紙を書き始める前に整頓し相手に伝えることを意識して手紙を書きましょう。
また自信のない感じやことわざ、慣用句を使用したい場合はきちんと辞書などでしらべ誤った使い方でないかも確認しましょう。
手紙の基本構成
手紙は大きく5つのパートに別れ構成されています。
①前文
手紙の一番初めにくる部分であり挨拶から始まり、相手を伺い、自分の近況をお知らせするパートです。
季節や気候に合わせた挨拶やお世話になっている感謝などを連ねます。
②主文
「なぜ手紙を出したのか」を記す本文、手紙のメインパートです。
伝えたいことを簡素に簡潔に、誤字や脱字に気をつけて執筆しましょう。
③末文
用件をまとめご挨拶するパートです。
手紙を読み終わった後も、読んだ方を気遣い、読んでくれたことを感謝する挨拶を添えましょう。
④後付
手紙を書いた日付や差出人の署名をします。
最後に手紙を差し上げる方の宛名を記載します。
⑤副文
本文から外れるような話題や、本文では書ききれなかったいわゆる「追伸」のパートです。
あっても良いですし、畏まる手紙であれば用件は主文内で収めるのがベターでしょう。
季節のご挨拶
春から夏、夏から秋、秋から冬へ。
最も解りやすい季節のご挨拶は気候の変化に対し相手の体を労わったり、どう過ごされているのかを訪ねるのが一般的でしょう。
例)
- 春:「やわらかな日ざしが心地よく感じられる季節になりましたが」、いかがお過ごしでしょうか
- 冬:「冬が近づき、風のある日は寒気が身にしむようになりましたが」、お変わりなくお過ごしでしょうか
わかりやすい文面の書き出しであるほうが気持ちはスムーズに伝えることが出来ます。
書き出しで熟語、春であれば「軽暖の候」「春暖の候」、冬であれば「寒気の候」「菊花の候」など様々にありますが、意味を知らずに使うのは滑稽ですので理解して使うようにしましょう。
また結びの文で「季節柄、ご自愛ください」と言う文章は、男女の差なく目上の方にも使うことが出来る常套句です。
「ご自愛」とは「ご自分の体を大切にしてください」と言う意味です。
ですので間違っても「お体、ご自愛ください」というのは「腹痛が痛い」と言う様なものなので気をつけて使いましょう。
「ご自愛ください」だけでは主語が足りないようにも感じられますが、その一文だけで完結しているの日本語なので正しく使えるようにいたしましょう。