昨今ではスーパーに行くと、レジ袋が有料化している店舗がたくさんあります。
大手スーパーだけでなく、地元のスーパーといった場でも今はレジ袋が有料化している場合があります。
「エコ」が近年取り立たされていて、レジ袋の有料化もその一環とされています。
はたして、有料化によってどのようなメリット、そしてデメリットがあるのか、この記事では考えてみたいと思います。
エコについて考えている方も、ぜひご覧ください。
レジ袋の有料化は昭和の時代から始まっていた
お店で物を買う時は、マイバッグを持参してレジ袋を買わずに買い物をするか、レジ袋を2~5円程度で購入するかという選択をすることが現在は主流となっています。
ここ10年程度の間に一気に加速していった印象があるレジ袋の有料化ですが、有料化自体は少なくとも1982年から行われていました。
その1982年に有料化を開始した「コープかながわ」が、日本では最古のレジ袋有料化店舗と言われています。
レジ袋はポリエチレンで作られる
レジ袋の削減がエコに繋がるという話は誰もがご存知でしょうが、しかし、具体的にどうしてエコに繋がるかについてはわからない方も多いでしょう。
そこで、まずはレジ袋を作るために必要なものを説明したいと思います。
レジ袋は、基本的にポリエチレンでできています。ポリエチレンはエチレンでできていて、プラスチックの仲間です。
ポリエチレンはご存知の通り透明ですし、レジ袋に使われることからも分かる通り丈夫です。
そして水素と炭素を化合することによってポリエチレンは作られていますので、焼却すると水と炭酸ガス、つまり二酸化炭素になります。
レジ袋は地球温暖化に繋がると考えられる
前述のとおり燃やすと二酸化炭素が発生するということが、レジ袋=地球温暖化となる根拠です。
理屈上は、有料化することによって、マイバッグ等の持参が増え、レジ袋の消費量を減らすことができます。
レジ袋を1枚作るのにはおよそ20ミリリットルの石油が必要になりますので、その消費を減らすこともできます。
石油は限られた資源ですので、その消費を抑えられるということは確かにメリットということができるでしょう。
レジ袋は1度家まで運ぶのに使ってからは、基本的にはゴミを捨てる時くらいしか使う機会がありませんよね。つまりあまり意味のない消費ということで、たしかにムダと考えることができます。
レジ袋の有料化には問題点もある
このように一見メリットづくしに見えるレジ袋の有料化ですが、実際のところはデメリット、メリットと言えない部分もたくさんあります。
例えば、この記事を読んでいる皆さんはマイバッグを持ち歩いていますか?
レジ袋は数枚買ったとしても10円もかかりませんよね。そのため、マイバッグを持ち歩かずにそのままレジ袋を買って済ませてしまう人はたくさんいます。これでは、まったくエコには繋がりません。
そしてその結果、スーパーでイチオシされているマイバッグ(エコバッグ)やマイバスケットといったものの生産ばかりが行われて余ってしまい、エコにまったく繋がらなくなってしまっているケースが多く見受けられます。
マイバッグを購入しても家に忘れてきてしまい、結局レジ袋を買ってしまったという経験をしたことがある方もたくさんいらっしゃるでしょう。
マイバッグ等は値段が比較的高く、最低でも数百円がかかります。そして、たくさん買った場合はマイバッグに収まりきらないので、結局レジ袋を買って使用することになります。
また、レジ袋を購入する場合もサイズを間違えてしまい全て収まりきらず、さらにもう1枚余計に買うことになることがありますよね。
屁理屈のようにも思えるかもしれませんが、これらの経験がある方は非常に多いでしょう。
店舗にもデメリットがある
マイバッグの推進によって常に袋を持った状態で行動する客が増えたため、スーパー等では万引き等の犯行を見つけづらくなっているというデメリットがあります。
マイバッグにはお店のロゴがないものが多く、またロゴがあったとしても何件かで買い物をする場合同じものをそのまま利用しますよね。
その場合、別のお店で買ったものがマイバッグに入っているため客側が万引きしたか別の店で買ったものが入っているのかわかりづらいことが考えられます。
そして現在は流石に減ってきていることが予想されますが、レジ袋は無料というイメージがあるため有料化していることに対して怒る人もいます。
また、レジ袋の有料化は全てのお店で行われているわけではありません。例えばコンビニでは、現在もレジ袋は有料ではありませんよね。
結果的にはお店側にとっても「エコ活動をしているアピール」程度しかメリットがありません。現在は無料に戻してしまっている店舗も存在しています。
エコに対して取り組むことは重要ですが、レジ袋の有料化は今のままではエコと呼べるシステムになっていないことがわかります。