怪我をしたとき病院に行ったら、「マイクロポアテープ」というものを出されて、「なぁに、これ。新しい絆創膏か何か?」と思ったことのある方もいらっしゃるかもしれません。
或いは、手術の後などに病院でもらったことのある方もいるでしょう。
今回は、そんなマイクロポアテープの紹介です。
マイクロポアテープとは?
マイクロポアテープ、英語で綴るとmicropore tape、となります。
microとは、「ミクロ、微細な」という意味であり、poreは「小さな孔(あな)」、tapeはそのまま「テープ」という意味です。
直訳すると、「微細な気孔のあいたテープ」ということになります。
人間の肌は、肌呼吸というものをしています。
また、汗もかきます。
そういったときに、この「微細な気孔」があるテープとないテープ(例えばセロハンテープは微細な気孔はありません)では、大違いです。
肌呼吸ができないために肌ストレスになったり、蒸れやすくなったりします。
そのため、マイクロポアテープの一番の意義は、「肌に優しいテープ」であることになります。
マイクロポアテープの効果
そんな肌に優しいマイクロポアテープですが、本来はいわゆるサージカルテープとしてガーゼを貼ったり、裂傷の際に傷口を寄せ合うようにして固定したり、という使い方をします。
つまり、傷口やその周辺にずっと貼ったままにしておくのに、セロハンテープなどを使っていたら肌荒れしてしまう、そのための医療用のテープというわけです。
衛生医療用品は基本的に白、と決まっております(ガーゼもマスクも生理用品も、基本は白ですよね)ので、マイクロポアテープも白色でした。
しかし、そのうちに茶色いマイクロポアテープが発売されます。
肌色であるため、傷を目立ちにくくすることができます。
これが、特に女性を中心として人気を呼び、おそらく病院でマイクロポアテープを出された方は、ほとんどが茶色の製品を出されているかと思います。
更に昨今では、紫外線が問題視されており、傷が治る過程では紫外線を避ける方が綺麗に治る、とされています。
マイクロポアテープを貼ることで、紫外線もだいぶ軽減することができます。
また、傷口が治る過程では、乾燥は厳禁、傷口に適度な湿度を保つことで早く・綺麗に治すことが出来ます。
マイクロポアテープを貼っていると、蒸れない程度の適度な湿度を保つことが出来ます。
以上、まとめると、マイクロポアテープの効果は、「肌に優しい」「固定(テープとしての機能)」「傷口を目立ちにくくする」「紫外線を軽減する」「保湿」ということになります。
マイクロポアテープの使い方
では、そのマイクロポアテープを効果的に使うためにはどのような貼り方がよいでしょうか。
切り傷(手術痕含む)などを早く治すために用いる「固定」としての機能を存分に活かすには、以下の5点に気をつけるとよいでしょう。
- 傷口の方向と直角に貼る(傷口が開かないように、寄せ合うようにして固定する)
- 1を傷口の端の方から、少しテープを重ねながらもう片方の端まで行う
- テープは剥がれてこない限り、何回も替えなくて良い(1~2日に1回)
- 傷口の深さによるが、完全に治るまでか、治り始めてから1~3ヶ月ほどは続ける。
- 剥がすときは、傷口の端から剥がす(傷口にはった薄皮が伸びないように)
紫外線の軽減や保湿目的ならば、上記ほど丁寧にしなくてもかまいません。
傷口を覆うように貼っておけば充分です。
※なお、マイクロポアテープは「絆創膏」ではありません。傷口が回復期に至るまで(例えば、傷口に薄皮ができるまで)は、キズパワーパッドやガーゼ、絆創膏などを用いましょう。
どこで手に入れるの?
「傷口に紫外線って当たらないようにした方がいいですよね?」などと医師に伝えれば、気を利かせて出してくれる場合も多いでしょう。
市販でも手に入れることはできますが、絆創膏のようにどこの薬局にも置いている、というほどメジャーな商品でもありません。
お近くの薬局を数軒回ってもないようなら、取り寄せしてもらうか、ネット販売で購入した方が手っ取り早いでしょう。
また、類似商品としてただ茶色いだけのテープ(傷隠し用)や、サージカルテープ(ガーゼを貼ったりするテープ、通常は白)もあります。
マイクロポアテープは高機能な分、それらよりも高額です(といっても300~500円程度ですが)。
目的・用途に合わせて商品を選ぶと良いでしょう。