ふぅ~、食った食った・・・げふぅ・・・
・・・おっと失礼しました。
お腹いっぱい食べて満足して気が緩むと、ついやってしまうのがゲップ。
状況次第では、ハッと自分の失態に気付き、「失礼しました」と謝罪することもあります。
しかし、日本では「失礼」にあたるゲップも、中国や中東の国々では逆に、食後ゲップをすることで「満足」の意を表すこともあるそうです。
しかし、このゲップ、なんで出るのでしょうか?
あまりにゲップばかりしていると何かの病気になるのでしょうか・・・?
ゲップの原因
具体的にどんな原因があるのでしょうか。
- 食事をするときに、少しだけ空気も飲み込んでしまっている。
- 炭酸飲料は二酸化炭素が溶け込んでいるが、飲んだ後、その二酸化炭素がガスに戻る。
- 検診などで胃を膨らませる薬を飲む。
- 呑気症(空気嚥下症)で空気を飲み込んでしまう。
- 胃幽門狭窄症(胃内容物が腸へ送られにくい)を発症している。
- 逆流性食道炎(胃内容物が逆流しやすい病気)を発症している。
- 胃下垂、胃アトニーなどによる消化能力の低下。
- 腸内細菌などによりガスが発生する。
実に多くの原因がありますね。
最初の三つは、健康な人でも起こるゲップの原因です。
これらが原因で出るゲップに関しては心配ありませんので、放っておいていいでしょう。
下の6つは、何かの病気やトラブルが元でゲップが多く出ている場合ですが、やはり心配なのはこういった原因のゲップですよね。
では、それぞれの病気ごとに見てみましょう。
ゲップが症状として出る病気とその対策
呑気症
空気嚥下症(くうきえんげしょう)ともいいます。
その名の通り、気付かぬうちに、空気を飲み込んでしまう病気です。
多くの場合、ストレスが原因となっています。
空気だけを飲み込むというより、唾液などを飲み込む際に一緒に空気を飲み込む場合が多いでしょう。
歯並びが悪かったり、ガムを噛んでいたりすると、唾液の分泌量が多くなります。
そうすると、必然的に唾液を飲み込む回数が多くなり、比例して空気も飲み込んでしまう・・・という理由の場合もあります。
呑気症のゲップの特徴は、「飲み過ぎた空気」が出るだけなので、臭いがほとんどないことです。
治すには、やはり根本原因であるストレス(或いは歯並びや食習慣)の対策をすることが一番ですが、短期的には薬で改善できる場合もあります。
一度内科を受診してみるとよいでしょう。
胃幽門狭窄症
幽門というのは、胃の出口(腸へ向かう部分)のことです。
そこが狭くなってしまうため、食べたものが腸へ送られる速度が遅くなり、結果として食べたものが長時間胃に溜まることになります。
その結果、既に胃酸による消化は行われているのに、更にまだ胃酸の消化をうけることになります。
そのため、呑気症の場合と異なり、ゲップは強い酸や腐敗を受けたような臭いがします。
一過性の場合も多いため、治療はまず食事療法により胃の負担を軽減することが多いです。
しかし、それでも改善が見られない場合は、自然治癒が難しいと判断し、手術などを選択することがあります。
この病気は、内科、特に消化器内科が専門となります。
逆流性食道炎
逆流性食道炎はその名の通り、胃から食道へ逆流が起こって炎症を生じる病気です。
胸焼けやゲップが主な症状で、ゲップと共に胃酸が上がってくることも度々です。
この病気自体はそこまで怖い病気ではありませんが、食道がどんどんダメージを受けるため、非常に重篤な病気に発展する場合もありますので、心当たりのある方は一度内科を受診するとよいでしょう。
治療は、薬の内服が多く、どうしても治らない場合には手術をすることもあります。
逆流性食道炎について詳しくはこちらの動画をご参照下さい。
胃下垂、胃アトニー
胃下垂は、胃を支える筋肉が足りないなどの理由で、胃が通常の位置より下に下がっている状態です。
胃アトニーは、胃壁の筋肉が不足し、胃の蠕動運動(ぜんどううんどう)が正常に行われない状態です。
胃の消化機能が低下しているため、ゲップが出やすかったり腹部膨満感があったりしますが、日常生活に問題がなければ、治療する必要はありません。
ひどくなるのを防ぐために、腹筋を付けるのがいいでしょう。
どうしてもひどい場合には、手術などでも治すことが出来ますが、ほとんど行われることはありません。
ゲップに対する薬は?
上記に示したような病気の多くは、「暴飲暴食」が主原因の一つです。
脂分や蛋白分の多い食事(肉系)やお酒を控えることが一番の薬です。
また、ゲップが酸っぱい場合は、胃酸過多が考えられますので、胃酸の分泌を抑制する薬がよいでしょう。
病院で処方されることの多いPPI(プロトンポンプ阻害薬)やH2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)は、胃酸の分泌を抑える薬です。
市販薬では、H2ブロッカーである「ガスター10」などがよいでしょう。
但し、これらは根治させる薬ではありません。
一時的に症状は治まりますが、長期間服用すれば効果が低くなってきたり、副作用も出やすくなってきたりしますので、薬を飲まねばならないほどお悩みの方は、内科(消化器内科)を受診することをオススメします。
ゲップと共に吐き気を伴う場合、胃潰瘍などが考えられるので、一度内科を受診することをオススメします。