痣(あざ)といえば、「あおたん」という俗称もある、青あざが代表的です。
しかし、中には赤い痣もできることがあります。
青あざと赤あざの違いは一体何なのでしょうか。
目次
仕組みの違い
そのため、一概には言えないのですが、打ち身による痣を除くと、
- 青あざは、真皮(皮膚の中層)にメラニン色素が発現した場合が多い
- 赤あざは、皮膚の血管が拡張したり異常に増えたりした場合が多い
という特徴があります。
では、そのような赤あざにどんなものがあるか、見ていきましょう。
様々な赤あざとその対策
単純性血管腫
生まれつきあることが多く、特に女子の顔や首、四肢に生じることが多いです。
広範囲に及ぶこともありますが、成長と共に皮膚が分厚く丈夫なものになっていくため、痣の面積は減っていくこともあります。
但し、成長しても全ての痣が消えることは少ないです。
赤くなっている部分は、特に膨らんだりしておらず、平らなのが他の血管腫と違い、特徴的です。
皮膚科や形成外科でレーザー治療を受けることによってだいぶ消すことができます。
苺状血管腫
乳児がよく発症する赤あざです。
毛細血管が異常に増殖することにより起きます。
顔に出来ることが多く、痣の部位が膨れることが多いです。
そのため、痣というより、赤いグロテスクな出来物、のように感じる方も多いかもしれません。
二歳ぐらいから自然に小さくなっていき、治る場合もあります。
病院で治療する場合は、やはりレーザー治療がよいしょう。
レーザー治療の効果(どの程度消えるか)については、各形成外科のホームページや、下記動画などに例が載っていますので、ご参照下さい。
老人性血管腫
加齢に伴い、1~5mm程度の真っ赤な粒状に隆起した小腫瘍ができることがあります。
老人性、とありますが、20歳代からでも生じることがあります。
痛みはとくになく、放っておいても問題ありません。
血管拡張性肉芽腫
怪我をしたときの傷口の治癒過程で生じることの多い血管腫です。
言ってみれば、傷口の修復に失敗したわけです。
特徴は、ちょっとした刺激ですぐに出血することで、大きさは数mm~2cm程度です。
自然治癒することはほとんどなく、また出血しやすいことから、血管拡張性肉芽腫ができた場合、なるべく早めに手術で除去してしまった方がよいでしょう。
手術と言っても、すぐに済む軽い手術(通常は、切り落として焼くだけ)ですので、何の心配もいりません。
サーモンパッチ
乳児の顔に出来ることが多く、指などで押すと赤い色が消えて白くなることが特徴です。
通常は、成長と共に消えていきます。
2歳過ぎても消える気配のないときは、レーザー治療で消すこともできるため、形成外科や皮膚科を受診してもよいでしょう。
害はないので放っておいても構いません。
ウンナ母斑
後頭部の髪の生え際にできることの多い、紅斑です。
髪の毛で隠れる部位であり、特に実害もないため、放っておく方も多いです。
全身性エリテマトーデス(SLE)
有名な難病の一つです。
白人の若い女性が罹患することが多く、頬から鼻にかけて、対称性の紅斑が現れます。
蝶やリボンのような、∞形の紅斑(蝶形紅斑)が出ることがあります。
膠原病であるため、膠原病科のような診療科を受けるのがよいでしょう。
他の症状は、人によって様々ですが、光に対する過敏症は多くの人にみられます。
打ち身による赤あざ
最後に、最もよくあるであろう赤あざ「打ち身」について。
放っておけば治るものですが、早く治したい方は、打った後すぐに冷やすことが肝要です。
また、打ち身の程度により、赤あざのまま治る場合と、青あざ→黄あざ、と色が変化しつつ治っていく場合とがあります。
このような場合は要注意!
上記で触れたように、血管腫はそんなに大したことのないものが多いですが、主に乳幼児で、
- 血管腫が急に腫れてきて硬くなった
- 血管腫の色が変わった
- 血管腫の近くで内出血が見られるようになってきた
などの場合は、血管腫内で出血が起きている場合があるため、早めに受診しましょう。
また、お子様の場合、虫さされや怪我の瘢痕を赤あざと見間違えることもあります。
毎日お風呂に一緒に入ったときなどに、全身を視診する癖を付けておくとよいでしょう。