白塗りの顔に特殊な模様、チリチリのパーマ、赤く塗られた鼻。
不思議な恰好で様々なパフォーマンスをしてはお客さんを喜ばせる道化師、ピエロはサーカスには欠かせない存在です。
ですが、その不思議な容姿に言いしれない恐怖を感じる、ピエロ恐怖症という病気があることをご存知でしょうか。
あ、私もちょっとピエロ怖い…と思ったら、あなたもピエロ恐怖症かもしれませんよ?
ピエロ恐怖症、道化恐怖症
恐怖症とは、とある一定のものに対して心理学的または生理学的に異常なまでの恐怖を感じる症状で、精神疾患の一種となります。
ピエロ恐怖症は道化恐怖症が正式な病名で、カナ表記ではコルロフォビアが用いられます。
本来は愉快でおどけた象徴であるはずのキャラクターに対し、奇怪さや奇抜さ、何らかの要因により恐怖を覚える病的心理状態です。
ピエロ恐怖症は一般的な恐怖症と違い精神科医の手助けが必要な不安障害とは異なります。
恐怖を感じる原因としてはメイクアップされた白塗りの表情から感情が読み取れない、何を考えているかわからない、人として認識できないなど様々です。
また、本来は愉快で親しみのあるキャラクターである性質を利用して、真逆の悪役として活躍させる作品が多く、物語に描かれた悪役のピエロのように自分に危害を加えるのではないかと思ってしまうのも要因とされます。
なおピエロを悪役たらしめる作品の代表作はスティーブン・キングの「IT」
「IT」自体が実在の道化師がおこなった連続殺人事件をモデルにしているとされ、幼い頃に恐怖の刷り込みをされれば必然的にピエロが恐ろしくなるものです。
心理的恐怖は何かしらの原因があると想定されていますが、生理的な恐怖であれば、存在そのものが根本的に受け付けない、見るのもダメ、聞くのもダメ、と言う人も少なくありません。
あなたはピエロ恐怖症?
ピエロ恐怖症だと公言している有名人で最も知名度が高いのはパイレーツオブカリビアンシリーズなどで有名なジョニーデップでしょう。
彼も長くピエロの恐怖に苛まれていた人の一人です。
ピエロ自体、本来はユニークなものの象徴として道化を演じるパフォーマーです。
今日ネットでは「この動画を見て怖いと感じたらピエロ恐怖症!」などと掲載されるほとんどの動画が、根本的な恐怖をあおる作りになっており、それを見て怖いと感じたからと言って一概に恐怖症であるとは断定できません。
かえって真昼間の人がたくさんいる場所で、本来のピエロの仕事に従事しているパフォーマを見て、冷や汗をかいたり、動悸が激しくなり、息が詰まりそうになったりした場合、あなたは重度の恐怖症と思ってよいでしょう。
危害を加えないはずのものをみてソレが自分に危害を加えるかもしれない、と思ってしまう状態に陥れば間違いなくピエロ恐怖症です。
ピエロ恐怖症を治すには
根源的に怖いと思っているものを大丈夫にするにはそれ相応のトレーニングが必要となります。
ピエロ恐怖症は精神科医等のお医者さんにかかって治す病気ではなく、心の持ちようで改めるしかない病気です。
ピエロが自分には害をなさない、メイクをしていても中身はただの人間、得体のしれない何かではない、と認識していくことで徐々に徐々に恐怖心を緩和していきます。
いずれにせよ強くメンタルを保つ必要があるので、人によっては荒療治でさらに恐怖が増大する可能性もあります。
生活に支障が出ないレベルであれば、自ら近づかない、触れない、見ないを守れば克服する必要はないので自分に合った距離の取り方をしましょう。