言葉は常に進化しており、年間何千、何万と辞書に加える言葉の候補があるというのはご存知ですか?
私たちの耳なじみの言葉は実は自分達が生まれるよりも後に生まれてきた新しい言葉だった!なんて調べてみてから分かること。
インターネットや、友人の会話でよく耳にする「ガチ」「ガチ勢」。
意味はなんとなく、使い方も大体知っているけれど、いざ説明してみて、といわれたらあなたはどう説明しますか?
言葉は喋って使ってしまえば誰でもなんとなく操ることは出来ますが、本質を知らず使って、どう言う意味?と聞かれたときに慌てていたのでは格好がつかないですよね。
身近な言葉の意味を知って、これからは正しく使っていけるようにしてみましょう!
「ガチ」の由来・語源
語源は大相撲やプロレスの試合形式を表現する「ガチンコ」から由来しています。
元々は一切仕込みのない真剣勝負でお互い激しくぶつかり合う様を表現する隠語として使われており、ガチンコ勝負だ!と言えば互いに血の目を見ても止めないような激しさを想像させます。
ガチンコは多く試合形式の催し以外にも使われるようになっていきました。
ガチンコダイエットや、主に本気で真剣に取り組むものに対してインパクトの強い枕詞として利用されて普及していきます。
80年代~90年代では不良の少年少女が喧嘩などの際に用いる言葉だったのが、2000年代には「超」や「激」、「マジ」などの物事を強調するときに使う言葉として浸透していきます。
本当だと主張するる「マジ」の代わりに「ガチ」と使われることも多いです。
まとめるなら、「本気」や「真剣勝負」、「真剣」、「物事が本当な様」といえばよいでしょう。
《例文》
- このマンガ、ガチで面白いから
- 次の小テストはガチでやらないと不味いやつ
- あの人はガチ。間違いない。
派生語
- ガチしょんぼり沈殿丸
非常に落ち込んでしまいしょんぼりとして気持ちが沈みきってしまっている状態のこと。
ガチを含む固有名詞
若者言葉として未だに顕在するガチは面白いもので若者から30代程度まで幅広く使われる言葉です。
既に若者の域を跳び越して生活に根付いてしまった言葉なんですね。
少し前には「ヤバイ」で全ての会話が完結できる、という話題がありましたが「ガチ」も似たような派生を辿っていくのかもしれません。
『あの人はガチでガチだから、こっちもガチにならないと、これはガチ』
意外とこんな会話が通じてしまうのだから言葉は面白いですね。
ガチを含む固有名詞として「ガチ勢」や「ガチムチ」など、インターネットスラングとしてよく見られる言葉があります。
「ガチ勢」は「がちぜい」と読み、本気な連中や本気の勢いで集まっている人々の事を指して言います。
ゲームガチ勢やジャニーズガチ勢、インターネット上には何かに熱中し本気の情熱を傾けている人が沢山いますから、そんな人たちをさす言葉として広く普及したのでしょう。
「ガチムチ」はムチっとした筋肉がすさまじい人たちのことを言います。
主には賞賛として送られる言葉であり、多くは男性をさす固有名称で、女性に対して使われることは少ないです。
理想の筋肉や、どこからどうみてもマッチョ、疑いようも無く真剣にとりくんだ日々の成果が作り上げたベストな筋肉をさして「ガチムチ」と称するのです。
若者言葉と現代語
日本語に限らず言語は常に進化し、今を生きている若年層から毎日のように新たな言葉が生まれては定着していきます。
昨日生まれた言葉が明日にはスタンダードになっていることも、知らず知らずのうちにあなたは体感していることです。
そういった積み重ねの初歩を「若者言葉」と世間はいい、その若者言葉が現代語として昇格させていきます。
私たちは言葉を作り出している張本人なので、その言葉の作られた本質を正しく知り、伝えていく使命があるのかもしれませんね。