まるで重力から開放されたかのように自由自在に飛んで跳ねて回転する、人間業とは思えない体操種目の数々。
難度EとかCとか格好よさげな種目が自分に出来ないのはわかりきっていても、憧れを簡単に消せないのが人ですよね。
これくらいなら出来るかも、と挑戦してみたくなる前宙。
正しい練習方法とコツをしり、マスターして注目の的になってみませんか?
正しい前宙とは
そもそも全宙が略称なのはお分かりだとは思いますが、正しくは前方宙返り。
英語ではフロントフリップとも呼ばれます。
助走をつけて勢いに乗り、勢いを殺さないように踏み切り、ジャンプの勢いに変化させて両足を抱え込み回転します。
高さだけを求めても回転力がおろそかになり、回転だけを意識すると跳躍力が落ちてしまう。
一見は出来そうに見えて案外にも難しい前宙ですが、段階を踏んで練習していけば出来ないことはありません。
安全第一、充分な場所を確保しよう!
前宙に限らず、アクロバティックの様々な技を練習するときは広い場所と、身体を痛めないやわらかいマットなどが必要となります。
マットは最悪布団や寝具のマットレスを代用すれば問題ありませんが、日本家屋のスケールでは充分に場所をとることが難しいこともあります。
市民体育館や体操の民間スクールなど、指導者もいてなおかつ道具もそろっている場所か地域に必ず1,2箇所あるものですから探してみるのも良いでしょう。
まずは基礎固め!前転、飛び込み前転を繰り返そう!
前転は幼稚園から小学校の低学年にかけて誰もが体育の授業でやったことのある前まわりのことです。
前転は問題なくできる、となれば飛び込み前転にうつります。
助走をつけて飛び込むように前転します。
飛び込み前転が問題なくできるようなら、飛び込み先のマットの高さを調整し、飛び込み前転を繰り返します。
ひざ上くらいまでの高さの飛び込み前転に問題が無くなったら、今度はそれ以上の高さの障害物を設置し、その障害物を飛び越える飛び込み前転の練習をします。
高さのある飛び込み前転を繰り返すことで前宙の跳躍感覚や回転を意識して身体に覚えさせます。
基礎が整ったら補助を入れて回転してみよう!
飛び込み前転にほぼほぼ無理がなくなったらステップアップ!回転の補助を誰かに頼み空中で回る感覚を覚えましょう。
気持ちは飛び込み前転と同じ、ただ手を付かないよう空中で回ってみようと足を抱えて見ます。
最初は恐怖心もあるでしょうが、補助の人がいれば大怪我にはならない!マットもあれば痛くない!と少し自分をだまして勇気を振り絞って回りましょう。
恐怖心が先行すると前宙することはできませんが、全く怖くなく回転できる!というのも慢心からの怪我につながります。
適度な恐怖心をもって、なんどか練習した後、補助の人には下がってもらい一人で回転するように練習してみましょう。
すこしダメだなと思えば前のステップの飛び込み前転に戻り手を地面につけて回転と跳躍を再確認、それを繰り返し繰り返しつづければ努力が実を結び前宙できるようになります。
1人で練習できる?
初めて回転を身体に馴染ませる際は補助の人をお願いしたほうがいいですが、前転~飛び込み前転は場所の確保と安全の確保さえそろえば一人でもできます。
布団を繋げて2m以上の場所を確保できるなら前転も飛び込み前転も可能です。
助走をつける都合上場所の確保が一番のネックになるでしょう。
助走をつけずにそのばで前宙を繰り返すアクロバットもありますが、基本の前宙をシッカリ出来ないうちからやるのはリスキーで大変危険です。
1人での練習はだれの指導も無く、監督も無く、全責任が自分にあるということをきちんと認識できる人でなければおこなってはいけません。
自分が頑張りたい!ということはとても素晴らしいことですが、頑張るあまりに周りが見えなくなって大怪我。
家族や友人、大切な人に心配をかける好意は素晴らしい志から遠く離れています。
きちんと理解して、努力を重ねましょうね!