サッカーの試合などで「ホームでの試合」「アウェイに乗りこむ」などと言っているのをよく耳にします。
あるいは、まったく別の文脈で、「すごくアウェイ感がある…」などという表現を目にしたことはないでしょうか。
はっきり理解しないまま使っている言葉ってけっこうありますが、筆者にとってはこれもその一つ。
そこで、あらためて人に聞くのもちょっと恥ずかしい、「ホーム」「アウェイ」という言葉について調べてみました。
スポーツの試合でよく聞く「ホーム」「アウェイ」って?
英語のホーム(Home)という単語には「本拠地」という意味もあり、スポーツの世界ではそのチームの地元のことを指します。
対するアウェイ(Away)は相手チームの本拠地、つまり「敵地」という意味になります。
地元での試合が「ホームゲーム」、相手本拠地での試合が「アウェイゲーム」となるわけですね。
メリットとデメリット
どうやらサッカーの世界では、とくに「ホーム」と「アウェイ」は重要な要素らしいです。
メリットとデメリットがかなりはっきりしているというのがその理由なんだとか。
ホームゲームのメリットで、一番に思いつくのは応援の人数や熱意ですが、なぜサッカーのほうが重要視されるのでしょう?
たとえば野球は、ボールを打った瞬間や、野手がうまくキャッチした瞬間に、応援席がどよめき、やがて歓声は静まりますよね。
それに対してサッカーは、一方のチームがボールを持ったらその間じゅう、ホームであれば大歓声が聞こえてきますが、アウェイでの試合ならば大ブーイングが飛んできます。
また、サッカーは芝のコンディションによってボールの転がり方が変わります。
選手にとっては、慣れ親しんだホームのグラウンドでプレーするのと、ボールのコースが読みにくいアウェイでプレーするのとでは、大きな違いがあるのでしょう。
「アウェイ感」ってよく聞くけど…
スポーツの話とは関係ないときに使われる、「アウェイ感」という言葉。
最初に登場したのは、2005年に放送された『電車男』というテレビドラマのなかでした。
おしゃれな街は自分に場違いな、慣れない場所だと表現するために「渋谷はアウェイだ」というセリフがあり、そこから広まったのだそうです。
もう10年も前のドラマから生まれた言葉だったのですね!
そして、この「場違い=自分が上手に立ち回れない」という意味から派生して、「苦手なこと」「できないこと」を表現するのにも使われるようになりました。
どんなときに使う?「アウェイ感」
上にも書いた通り、「場違いで少し居心地悪い」を表現するのに欠かせない「アウェイ感」。
実際はこんな風に使われています。
初めての土地、初めての舞台でライブをしたミュージシャン。
慣れない場所での緊張感もアウェイ感です。
昨日は初の神戸ライブでした! やっぱり初ということでアウェイ感半端なかったですけど、お客さんも優しくてすごく助かりました。楽しかったです! また神戸リベンジしに行きます! ありがとうございました! pic.twitter.com/z4MI4o1FWu
— Crossover (@Crossoverrrrrr) 2015, 6月 14
友だちが少しずつできたら、アウェイ感はなくなりますよね。
去年はまだそんなに仲良くなかったりして すごいアウェイ感あったけど いや、いまだにちょっとコミュでアウェイ感はあるけど笑 でも今年はよしえとか沼野はラインくれてまで応援してくれて前日とかも頑張ってねっていってくれて、すごく嬉しい。頑張る。ありがとうございます。
— いうち (@t013zero) 2015, 6月 13
周りと服装が違うときに、ちょっと恥ずかしく感じたら、それもアウェイ感なのかも。
クールビズリーマン姿だとアウェイ感がすごかったです
— Belle. (@Beeeeelle) 2015, 6月 12
こうしてみていくと、「アウェイ感」ってとても便利な表現ですね。
日本語のスラングの一つとしてすっかり根付いた感があります。
おそらく、「孤立する」や「一人ぼっち」ほどの深刻さや恨みつらみがない、ライトな表現として私たちにとってしっくりくるものがあったのでしょう。
今回この記事を書くための調べ物をしていると、「アウェイ感を味わってこそ、人間は成長する」という意味の発言にいくつも出会いました。
なぜなら周囲に味方がおらず、慣れない環境に置かれた人間はどうにか状況を打破しようと頑張るから。
なるほど…、アウェイ感はなかなか奥深い言葉でもあったようです。